KCG創立60周年ロゴ

祝辞

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一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)理事長
元早稲田大学総長 白井 克彦様

一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)理事長
元早稲田大学総長 白井 克彦様

京都コンピュータ学院創立60周年,そして京都情報大学院大学設立20周年を迎えられたことを心からお祝い申しあげたいと思います。

これは言うまでもないことですけれども,20世紀半ばに始まった情報革命は,本当にとどまるところを知らないと言っていいと思います。そういう意味でこの情報技術,コンピュータというものは,人類の,もしかすると究極の発明物になってしまうのかも知れない。そういう状態ですけれども,その進展が非常に人間あるいは人間社会の核心にまさに迫りつつあるということだと思います。われわれはこの情報革命をどう受け止めて,どう対処していくのか,これからの人類社会が,日本もまさにそうですけれども,こういった社会の閉塞感の中で,どうこれを展開すればいいのかということを,誰もが意識しておられると思います。現実にこういう技術が存在し,さらに発展を遂げようとしている事実があるわけで,これをどう使って活かしていかなければいけないのか。そういう意味では,今たくさんお話がありましたけれども,優れた情報技術のプロフェッショナル,それだけではなくて,まさに広い視野とか,人類の将来とか,そういうものにとっても大きな意識を持った人材が,これから育成が重要になるということだと思います。

2004年に,専門職の大学院が世の中で生まれるようになりました。その一つとして京都情報大学院大学は情報技術の専門職大学院として日本で最初に提案され,実際につくられたのです。私自身も自分の大学の方でいろんな専門職大学院というものを計画し,つくりました。しかし,京都情報大学院大学が,この京都でつくられたということに,非常に,ある種驚きと喜び,感心,そういう大きなショックを感じたことを思い出します。

申すまでもないですけれども,京都大学を擁している京都で本当に重要な技術というものをじっくりと本質から極めていこうと,そういう人材を育成しようという考え方,これに取り組まれたということは,当時いろんな専門職の大学院ができましたけれども,情報大学院大学,まあ今,類する大学院大学はほかにもあるにはあるんですが,この京都情報大学院大学が最初である。大きな考え方,アイデアを持って生まれたということを,非常に大切なことと,私も思っております。

まさにこの,ITプロフェッショナルの養成と,確かに一言で説明するとそうなんですけれども,しかしKCGのグループ全体で言えることかも知れませんが,単に社会のニーズに対してそれに応ずることができる高度な技術者の養成というものを超えて,このグループが教育に取り組んでおられるということは,私は非常に,感心するなどという言葉は適切じゃないと思います,それ以上の感銘を覚えるわけです。教育方法の改革,そういうことは当然のこととして,ここで育った,育っていく人材が,これから難しくなっていく人類社会を大きく保つあるいは発展させてくれる,そういうことを十分に期待できる,それを目標にして取り組んでおられるということに,私は本当に敬意を表したいと思います。

これまでの60年あるいは20年,決して短い時間ではありませんけれども,ますますのご発展があると期待して,その発展を祈って,私のお祝いの言葉にさせていただきます。おめでとうございます。

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