KCG創立60周年ロゴ

祝辞

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一般社団法人情報処理学会 会長 森本 典繁様

一般社団法人情報処理学会
会長 森本 典繁様

京都コンピュータ学院および京都情報大学院大学の,このような晴れがましい記念の場にお呼びいただきまして,誠にありがとうございます。情報処理学会を代表して一言お祝いのご挨拶をさせていただきたいと思います。

さて,この学校が創設されました1960年代は,世界的に見てもコンピュータの黎明期だと言っていいと思います。1960年代にいろんな新しいコンピュータが出てきましたけれども,その当時の最先端のものとして1964年には日本にも大型のコンピュータが入りました。IBMのシステム360が横浜港に陸揚げされたのも64年でありました。また64年は東京オリンピックの年でもありまして,そのとき日本では日本のITエンジニアが世界に先駆けてオンラインで各レース会場の情報を集めて,一カ所で運用するといったものを実現して世界を驚かせたわけであります。それが私は,東京オリンピックのレガシーの最大の一つではないかと思います。

そんな時代に,大型のコンピュータというのはそれほど一般的なものではありませんでした。そういう時代に私塾から始まって,その情熱と行動力でもって大勢のITエンジニア,専門家を育成された先見の明と情熱には,非常に大きく感銘をしているところであります。

それからさらに60年たって,また多くの新しい技術が集中している時代に来ていると思います。AIのテクノロジー,それを支えるための新しいタイプのコンピュータ,スーパーコンピュータそして実用化が待たれる量子コンピュータなど新しい技術がこれからもどんどん出てきます。そのような技術を御校では理論的な勉強だけではなくて実践も伴ってコンピュータに触りながら,学習していくということをリード,標榜されていると伺っておりまして,それも非常に共感するところであります。新しい技術もさらにこれから多くの学生,若い人たちが使って世の中を変えていくということを大きく期待しておりますし,御校がますますその重要な役目を果たしていくことを期待しているところであります。

また,そのようなコンピュータをたくさん保有しており,使い終わった後でも実際の博物館,文化財という形で保管をされてもおります。情報処理学会では,2009年に分散コンピュータ博物館第一号の認定をさせていただいておりますが,貴重なコンピュータの中には先ほど出てきましたシステム360,370等あるいは日本の大型汎用コンピュータの歴史が詰まっております。これらを大きく活用していくことによって,ますます将来の発展もあると思っております。

その機材,文化財も非常に重要ですが,何より御校の一番の業績は,今まで60年間に5万人以上のITの専門家,技術者をこの世に送り出していただいたことであると思います。弊社も,御校の卒業生を採用して非常に活躍していただいているところでありますけれども,今後ともますます新しい技術,そして優秀な人材の輩出を期待している次第でございます。

以上でお祝いの言葉に代えさせていただきます。ありがとうございました。

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