KCG創立60周年ロゴ

祝辞

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京都大学 理事・副学長 引原 隆士様

京都大学
理事・副学長 引原 隆士様

このたび,京都コンピュータ学院が創立60周年を,また京都情報大学院大学が創立20周年を迎えられるにあたり,京都大学を代表して一言,お祝いを申し上げたいと思います。本来であれば,本学総長の湊長博が伺ってご挨拶申し上げるところでございますけれども,あいにく公務のため出席が叶わず,私が代理で祝辞を述べさせていただきます。

先ほどお話がございましたが,京都コンピュータ学院は,京都大学文学部ご出身の長谷川繁雄初代学院長と,京都大学大学院理学研究科博士課程に在籍しておられた長谷川靖子現学院長による私塾開設をきっかけに始まったということでございます。1963年(昭和38年)に日本初のコンピュータ教育機関として「FORTRAN研究会」を発足されたのがその始まりでございます。以来,「時代を担う創造性豊かな情報処理技術者の育成」という使命を掲げられて,コンピュータ技術の学問的性格を重んじ,技術・知識の伝授にとどまることなく,理論を重視した本格的なコンピュータ教育を実践してこられたということは非常に素晴らしいことだと思っております。1969年(昭和44年)に「京都コンピュータ学院」の名前で,高等学校卒業生を対象とする全日制課程を設けられました。現在では5学系20学科に及ぶ広範なコンピュータ教育を提供されています。京都コンピュータ学院が,60年もの長きに亘り,社会の変化に即応した教育をなさり,時代が求める優れた情報処理技術者を輩出され,情報化の進展に寄与してこられました歴代学院長はじめ,関係者の方々に深く敬意を表します。

一方で,京都情報大学院大学は2004年(平成16年),長谷川亘総長によって,それまで京都コンピュータ学院が培ってきた伝統と実績を活かされ,IT応用分野における国内での最高学位である情報技術修士を授与する日本初のIT専門職大学院として開学されました。デジタル技術が急速に進化する現代社会において,社会のリーダーたりうる応用情報技術専門家育成を建学の理念とし,優秀なITプロフェッショナルの育成に取り組まれたということは非常に素晴らしいことだと思います。京都情報大学院大学もまた京都大学と縁が深く,初代学長の萩原宏先生をはじめとしまして,本年4月に第4代学長に就任されました富田眞治先生まで,歴代学長は皆,京都大学の名誉教授でございます。私どももIT教育のさらなる発展の一助になればと願う次第でございます。

さらに,京都コンピュータ学院および京都情報大学院大学は,京都大学だけでなく,米国のマサチューセッツ工科大学,ハーバード大学,ロチェスター工科大学,コロンビア大学に加えまして,欧州,中国などの海外の教育機関とも密接に連携されており,情報教育,技術教育の本質を追究しておられます。これらのネットワークを通じて,グローバルに多彩な教授陣を配されて,今後ますますニーズが高まるIT分野の高度専門職を輩出し,地球レベルの情報化社会の発展に貢献するという重要な役割を果たしていかれることを願っております。

京都コンピュータ学院ならびに京都情報大学院大学のさらなる飛躍と,教職員,学生のみなさまのますますのご活躍を心から祈念し,私の挨拶に代えさせていただきます。

本日は,誠におめでとうございます。

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